車だけじゃない? 自動運転時代のDXで「不動産ビジネス」が変わるワケ
自動運転は都市部とは縁遠いものなのだろうか。決してそうではない。なぜなら自動運転が変革をもたらすのは、自動車業界だけではないからだ。
自動運転とビジネスモデルの変化

5月21日、福井県永平寺町で全国初めてとなる「レベル4」による自動運転車両の運行が始まった。 レベル4は4月に解禁されたばかりで、遠隔による監視などの特定条件でドライバーがいない自動運転が可能になった。
現時点で、自動運転は福井の例のように、人口減少が進む地域などで地域住民の移動手段となる巡回バスなどの活用が想定されている。
では、自動運転は都市部とは縁遠いものなのだろうか。決してそうではない。なぜなら自動運転が変革をもたらすのは、自動車業界だけではないからだ。本稿では、自動運転とビジネスモデルの変化の関係を見ていく。
自動運転時代の到来

自動運転は、今はまだ遠い世界の話かもしれない。しかし、そう遠くないうちにロボットや自動運転の車が自律して社会を動き回るようになるだろう。
すると、何が起こるのだろうか。国内の代表的なデジタルトランスフォーメーション(DX。ITの浸透によってもたらされる変革)プレーヤーといえばトヨタだろう。同社は電気自動車(EV)シフトが進むこれからの社会で
「自動車をつくる会社からモビリティ・カンパニーにモデルチェンジする」
と宣言している。
2018年1月に米ラスベガスで開催された「CES 2018」で初公開した「イーパレット」は、移動や物流、物販など多目的に活用できる、移動のサービス化(MaaS)専用の自動運転シャトルだ。東京オリンピックの選手村では、自動運転の巡回バスとして大会関係者や選手の移動をサポートした。
選手村での接触事故もあったが 、その後もトヨタはじめ自動車メーカーは危険回避や実用化に向けた研究開発を進めている。また、国土交通省などが安全性の基準づくりやシステムがどこまで責任を負うべきかについて検討しているところだ。