子育て世帯の最強助っ人? 「MaaS」という名の、希望に満ち満ちた移動サービスとは

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2018年から注目されるも、世間の認知度がまだ低い「MaaS」。その可能性はいかほどか。子育て世代の救世主になりえるかもしれない。

「MaaS」とは何か

ベビーカーを押して坂道を上る母親(画像:写真AC)
ベビーカーを押して坂道を上る母親(画像:写真AC)

「MaaS(マース)」が近年、日本各地で広がりを見せている。

 MaaSは

「Mobility as a Service(サービスとしての移動)」

の略語で、ひとりひとりの移動ニーズに応じて、複数の公共交通機関やタクシー、レンタカーなどの移動サービスを最適に組み合わせ、検索・予約・決済などを一括で行うサービスを指す。

 簡潔に説明すると、スマートフォンなどで目的地を入力するだけで、目的地までの最適な移動手段を検索し、配車の予約から運行、そして運賃の決済までを一連の流れで行ってくれるというものである。

 グーグルの検索トレンドによると、MaaSに関する検索数は2018年初頭から増加し、2019年にピークを迎え、その後安定的になっている。

利便性への期待

MaaSに関する図解(画像:国土交通省)
MaaSに関する図解(画像:国土交通省)

 日本ではまだ実験段階であるものの着実に歩みが進められており、MaaSがもたらす利便性に寄せられる期待は非常に大きい。

 複数の公共交通機関のシームレスな利用、カーシェアの浸透、タクシーやレンタカーを定額で使えるようになるなど、自家用車以外の交通機関を利用するハードルが大幅に下がる。コストの高い自家用車を保有する必要がなくなるというわけだ。

 そうすると、

・高齢者や過疎地域における移動手段の確保
・自家用車の利用減少による排出ガスの削減
・自家用車の所有者減少による交通渋滞の減少

などが見込まれ、現代社会が抱える諸問題の解決に向け好影響をもたらすことになる。MaaSの浸透は、ただ単に“移動が便利になる”だけにとどまらないのだ。

 そんなMaaSだが、世間の認知度はまだ高いとはいえない。しかし現在さまざまな自治体でMaaSの実証実験が行われており、その利便性や付加価値への理解が広がりを見せつつある。中でも注目したいのは、子育て世代の救世主にもなり得るMaaSの導入実験だ。

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