車だけじゃない? 自動運転時代のDXで「不動産ビジネス」が変わるワケ
自動運転は都市部とは縁遠いものなのだろうか。決してそうではない。なぜなら自動運転が変革をもたらすのは、自動車業界だけではないからだ。
DXは中小企業・個人に有利
八子氏によると、実はDXは中小企業の方が有利だという。
デジタルテクノロジーの黎明期では、デジタル化の推進には巨額の費用がかかったため、大企業でなければできなかった。ところが、デジタル技術はコモディティ化(高付加価値の製品の市場価値が低下し、一般的な商品になること)して年々安価になっていく。
パソコンやスマートフォンがよい例だろう。かつてコンピューターは今よりも大きく、大学や企業の研究施設など一部でなければ持てない高価なものだった。しかし、半導体の集積化など技術革新の結果、コンピューターは小型化した。いまやスマートフォンはひとり1台、あるいはそれ以上の時代である。
中小企業の方がDXに有利なのは、守るべきレガシーな資産が少ないこともある。意思決定や命令系統がシンプルなため、スピーディーにさまざまな方法やツールを試しやすいからだ。
DXの考え方は企業だけでなく個人にも応用できるのではないだろうか。デジタルを活用し時代に即した働き方をすることや、必要な学び直しやリスキリングで自らを変容させていくこともDXに通じそうだ。