増え続ける「女性専用車両」 そもそも痴漢はなぜなくならないのか? 背景にあった“低い自己肯定感”という現代の病理
令和のいまも導入されている女性専用車両。なぜ増え続けるのか。
女性専用車両を利用する理由

2023年3月30日、内閣府、警察庁、法務省、文部科学省、国土交通省は「痴漢撲滅に向けた政策パッケージ」を発表した。そのなかで、「女性専用車両の導入および定着」が痴漢行為を防ぐ取組に挙げられている。
資料には、
「16歳から24歳の女性の10人に1人が被害」
「被害者の4分の3以上(76.9%)が10代・20代の若年層」
「ただし、性別・年齢に関係なく被害者となり得ることにも留意が必要」
とある。
分かり切ったことのようにも思えるが、筆者(才田怜、ジェンダー研究家)自身も30歳に近づいたら痴漢行為にほとんど遭わなくなったので、データと合致している。
女性専用車両を利用する人には、痴漢行為に苦しんでいる人のほか、満員電車で男性と密着するのが辛いという人もいる。また、じっと見られるなど「つきまとい行為」に悩まされる人も利用していると考えられる。
筆者が20代前半の頃の話だが、夜に都内の駅のホームで突然男性に絡まれたことがある。強い恐怖を感じ、すぐにその場を離れ、安全な場所を探した。元気な中年の女性3人組を見つけ、極力近くにいるようにして電車を待った。
電車に乗り込み、数駅を過ぎてもう大丈夫かもしれないと思ったころ、その男性が連結部のドアから現れた。「やっと見つけた」といわれ、泣きながらその女性グループに助けを求めて追い払ってもらった。
男性に対して恐怖を感じると、他の男性ではなく女性に助けを求める心理があることを体験した。もし女性専用車両があったらシェルターのように感じて必ず乗車していたと思う。