増え続ける「女性専用車両」 そもそも痴漢はなぜなくならないのか? 背景にあった“低い自己肯定感”という現代の病理
令和のいまも導入されている女性専用車両。なぜ増え続けるのか。
導入される理由

いまなぜ女性専用車両が採用されるのか。
大江戸線は痴漢被害の多さが問題になっていた。交通局が通報した2020年度の被害申告28件中13件が該当していた。
政府に痴漢対策の強化を求めてきた団体で、高校生や大学生など本物の若者からなる「日本若者協議会」が、都営地下鉄の全路線に女性専用車を導入するよう都議会に訴えたことが引き金になった。
コロナ禍でリモートワークなど行動変容が求められ、電車の混雑率が減ったことも、最終的な判断に影響している。例えば、中井~東中野間の混雑率が以前は161%だったところ、2021年度には120%まで下がり、今後も以前ほどは混まないと見込まれた。これにより女性専用車両を導入することで他の車両がより混雑することがないと判断された。
熊本市においては、路面電車に防犯カメラを設置し、乗務員も監視をしていたが、痴漢行為が減ることがなかったことが、まず背景にある。2両編成のため、とりわけ乗車人数の偏りが懸念されたが、2020年に試験導入した際、前後で大きな変化が見られなかった。
1852人の乗客によるアンケート結果では、男性の約7割、女性の約9割が「女性優先車両」に「賛成」または「どちらかと言えば賛成」の回答で本格導入の後押しとなった。反対者の理由も、既に影響がないことが確認されていた一般車両混雑への懸念が中心だった。