率直に言う 「電動キックボード」は、もういらない
- キーワード :
- 電動キックボード, パーソナルモビリティ
電動キックボードのシェアリングサービスが拡大している。7月の道路交通法改正において一定条件下で免許が不要なることを受けて、都市部ではあちこちに貸し出し拠点が設置されている。ただ本当に安全なのか。
事業者による「アリバイ作り」
筆者が勝どき橋で観察していると、電動キックボードに乗った人たちが歩行者の間をすり抜けるようにして、通過していく姿を何度も見かけた。「キュルキュル」という回転音がかすかにする以外は音もなく、猛スピードで走っていた。
【無料セミナー】「自動車DXサミット vol.3」 三菱ふそう KTC マツダ登壇 Amazonギフトカードプレゼント〈PR〉
にもかかわらず、勝どき・晴海では電動キックボードの拠点が増えている。ある意味、7月の法改正以降を先取りしている地域といえるだろう。
それに対する事業者の対応は十分とはいえない。一部では、利用者登録を行う際に道路交通法の理解を問う質問を設けていたり、利用者のための講習会を行っていたりする。しかしこれは、利用者が事故を起こした際、事業者に火の粉が降りかからないための対策だ。いわば「アリバイ作り」なのである。コロナ禍以降、利用者が急増している自転車ですらマナーが普及しておらず、社会問題となっている。
シェアリングサービスの保険は対人対物無制限が一般的だ。また、個人で購入した場合には自賠責は必須である。とはいえ、保険がしっかりしていても、衝突されて「保険があってよかった」と喜ぶ人はいないだろう。絶対に指すべきは「衝突されない」ことなのだ。
そして、最大の問題点は現在の道路に
「電動キックボードの入り込む隙間」
がないことだ。もっとシンプルにいえば、日本の道路の多くは自動車と歩行者以外の利用をおざなりにして設計されている。これを体感したいなら、自転車で道路の路側帯や自転車専用レーンを走ってみるといい。都心部のよく整備された道路でも道路の途中で消滅しているケースが多いのだ。