率直に言う 「電動キックボード」は、もういらない
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中央区で起こった反発
「年間22人」という死者数だけで、電動キックボードが安全か否かを推し量ることは難しい。とはいえ、パリのアンヌ・イダルゴ市長が存廃を問う住民投票実施を決断するほどに、忌避する声が大きかったことは間違いない。
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この住民投票の結果、反対意見が
「89.3%」
となったことで、イダルゴ市長は8月末で電動キックボードを廃止することを表明するに至った。
法的拘束力がない住民投票の結果を受けて廃止を決めたイダルゴ市長は、フランス社会党の所属である。一方、パリ議会の与党は環境政党欧州エコロジー・緑の党やフランス共産党だ。いずれも、温室効果ガス削減を掲げている政党である。それでも、環境負荷を低減できる電動キックボードより市民の安全を優先しなければならなかったのだ。
そして、日本でも7月の道交法改正を前に電動キックボードの禁止を求める動きが始まっている。そのひとつが、国内有数の繁華街・銀座がある東京都中央区によるものだ。
土日祝日の銀座中央通りは歩行者天国が実施されており、あらゆる車両の走行が禁止となっている。歩行者天国では以前から、自転車走行の違反者増加が問題になっており、最近ではこれに電動キックボードも加わっている。
ゆえに、地元住民は歩行者天国が危険極まりない場所なると危惧している。そこで、中央区に対して全ての車道と歩道で、電動キックボードの通行禁止を求める動きを始めている。
筆者は銀座周辺から東の勝どき、晴海方面で危険走行する電動キックボードをよく見かける。特に危ないのは、銀座と勝どき・晴海をつなぐ晴海通りの歩道部分だ。
もともと、勝どき・晴海エリアは、銀座へ向かう交通機関が都営バスのみということもあり、自転車利用者が多い地域。そのため、自転車の危険走行はかねてより問題となっていたが、そこに電動キックボードが新たに加わった。勝どき橋はそのなかでも危険極まりない。