田中角栄『日本列島改造論』のジレンマ ローカル線を苦境に追い込んだ道路建設に見る、真に豊かな日本とは

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田中角栄『日本列島改造論』が2023年3月、復刻した。この本は、鉄道や道路、物流といったものに関心を持つ人はぜひ読むべき本である。

『日本列島改造論』復刻

上越新幹線(画像:写真AC)
上越新幹線(画像:写真AC)

 日本の鉄道・道路・航空・港湾などの、交通インフラについて議論する上では欠かせない本がある。田中角栄『日本列島改造論』だ。高度経済成長後のこの国の交通インフラ構想は、この本に書かれたことがベースになっている。

 しかし、長らくこの本は入手が難しい状況だった。古書価格も高く、図書館で読むしか内容を知る手段はなかった。

 そんな重要文献が、2023年3月に復刻した。版元は、初版発行時と同じ日刊工業新聞社で、巻頭には田中角栄の娘で国会議員も務めた田中真紀子氏の序文も付されている。

 この本は、鉄道や道路、物流といったものに関心を持つ人はぜひ読むべきだ。この国の国土交通政策はおおまかな流れではこの本の通りになっており、現在も田中角栄の構想が生き続けているからである。

 なお、本の発表は田中角栄が首相に就任する前の1972(昭和47)年だ。

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