田中角栄『日本列島改造論』のジレンマ ローカル線を苦境に追い込んだ道路建設に見る、真に豊かな日本とは
田中角栄『日本列島改造論』が2023年3月、復刻した。この本は、鉄道や道路、物流といったものに関心を持つ人はぜひ読むべき本である。
地方鉄道を追い詰めた道路建設

道路も鉄道も、という田中角栄の構想は困難であり、結局は道路を優先した。
その顕著な例は北海道であり、この地域では高速道路や高規格道路の建設が進み、JR北海道は厳しくなっている。
『日本列島改造論』は、財政の問題で中途半端にしか実現せず、道路建設が地方の鉄道を追い詰めるというジレンマに陥った。
だが、田中角栄の構想が早期に実現していたら、地方は衰退していなかったのではないか。
田中角栄については、人間性などが評価されることが多い。だが徹底して政策を考える政治家だった。『日本列島改造論』の奥付には「議員立法117本」とあり、これこそが田中角栄の真価であるといえるだろう。