陸自ヘリ墜落をなぜか「中国撃墜」認定 防衛省否定もどこ吹く風、“陰謀論”界隈に蠢く懲りない面々とは
陸上自衛隊のヘリコプター墜落事故の報道を受けて、「本当は中国に撃墜されたのではないか」という臆測がSNS上などに拡散された。なぜ陰謀論は生まれるのか、そして陰謀論を生むのは誰なのか。
背景に臆測生みやすい条件

こうした背景から、いったん生まれた陰謀論は時間とともに人々に定着していき、強固なものになった。
日航123便事故の調査委員会は、検証するための試験も実施して丁寧な説明資料を公表しているが、陰謀論を唱える人を
「技術論で納得させる」
ことは困難である。
今回のUH-60JA墜落事故の場合、天候の不良や緊急通信などもないなかでの墜落で、事故原因を推定することは困難だが、それだけなら特殊な事故とはいえない。
しかし、着任したばかりの師団長が搭乗しており、中国との緊張が話題になる南西方面の島しょで発生したという条件が重なったことで、臆測を生みやすい条件が整ったといえる。
陰謀論を生むのは誰か

臆測を生んだ重要な鍵となる中国の脅威は、
「国民の不安をあおる材料」
として、政府与党の政治家がしきりに宣伝していることである。
東京大学大学院の鳥海不二夫教授の調査によると、ツイッターで撃墜説を唱えるツイートを拡散しているのは、「反日」という単語や「高市早苗」氏の名前を多くツイートしている、いわゆる
「保守系」
と呼ばれるアカウントだという。
以前、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)関係者であった自民党の三重県議が「安倍元首相国葬反対のSNS発信は8割が隣の大陸から」というツイートを発信し、根拠は高市氏の講演だったと証言した。
高市氏が実際にそう発言したかどうかは曖昧なままだが、こうした扇動的な発言を好む人たちが、今回の撃墜説の拡散にも大きく関わっている。中国の脅威と日本の軍拡をあおり、仲間内で盛り上がる人たちの集団心理で、こうした流言が広がったことがわかる。