中国CATLがナトリウムイオン電池発売へ 技術課題をどのように解決?
第1世代は重量エネルギー密度160Wh/kg
CATLは、長年にわたりナトリウムイオン電池の電極材の研究開発を続けた結果、正極にプルシアンホワイト材を採用することで容量低下を解決し、また負極にはイオンの豊富な貯蔵と高速移動を可能にする独自の多孔質構造と、優れたサイクル性能を特徴としたハードカーボンを採用した。
同社の第1世代ナトリウムイオン電池は、高いエネルギー密度、急速充電性能、優れた熱安定性と低温時の性能、高いスペース効率を目指した結果、セルのエネルギー密度は最大で160Wh/kgに達し(LFP正極材のリチウムイオンバッテリーに近い数値)、常温の環境下で、15分で80%まで充電可能な性能を実現した。またマイナス20度の低温環境でも、90%以上の容量保持率を維持する。そして熱安定性については、駆動用バッテリーの国家安全基準をクリアしている。
第1世代のナトリウムイオン電池は、極低温地域での利用や、エネルギー貯蔵用の定置型バッテリーとして、様々なニーズに柔軟に適応できるとする。
CATL創立者兼会長のロビン・ゼン氏は、「化学の世界は未知の領域が多く、謎の探求に終わりはない。スーパーコンピューターによる計算プラットフォームと、素材の組み合わせシミュレーション技術を用いて、ナトリウムイオン電池に最適な化学構成を見つけ出し、産業化を発展させ、継続的に進化させていく。次世代ナトリウムイオン電池のエネルギー密度の開発目標は200Wh/kg以上に設定している」と表明した。
リチウムイオンセルとナトリウムイオンセルを混合利用
同社が発表したABバッテリーシステムとは、具体的には、ナトリウムイオンバッテリーのセルとリチウムイオンバッテリーのセルを一定の割合で混合して、一つのバッテリーシステムに統合するものだ。これを高度なバッテリーマネジメントシステムによって制御する。ABバッテリーシステムソリューションは、現行のナトリウムイオン電池が抱えるエネルギー密度不足を補いつつ、低温状況での高電力と性能の利点を拡大することができる。この構成により、ナトリウムイオン電池の適用範囲を広げることができる。
CATL研究所副所長のキセン・ファン氏は、「ナトリウムイオン電池の製造は、リチウムイオン電池の製造設備やプロセスと互換性があり、生産ラインを迅速に切り替えて高い生産能力を実現できる。CATLはすでにナトリウムイオン電池の製造を開始しており、2023年までに基本的なバリューチェーンを形成する計画だ。上流のサプライヤーと下流の顧客、そして研究機関にナトリウムイオン電池の共同開発と利用促進を呼び掛けている」と言及した。