JAL・ANA「機内食不要」サービス広がる 上級会員は今や空港ラウンジで食事、エコノミーはメニュー期待できない現実 今後どうなるのか
飛行機に乗ると提供される機内食。飛行時間が数時間に及ぶと、機内食はありがたく、腹ごしらえにもなる。機内食が楽しみという旅行客も少なからずいる。そんなニーズに対する各社の取り組みをリポートする。
LCCは最初から有料

機内食が、従来のトレーに並ぶタイプでなく、袋に入れて渡されるケースも増えている。
JALは羽田~金浦線のエコノミークラスで「SKY DELI by JAL」を、2022年6月30日から実施している。紙袋に軽食やスナックなどが入っており、乗客も食べやすく、客室乗務員にとっても配布しやすいメリットがある。飛行時間が短い場合、従来の機内食だと逆にせわしない。短距離路線ならではの取り組みと言えるだろう。
ANAやエールフランス航空、キャセイパシフィック航空などでも、紙袋や再生可能なビニール袋にパンやお菓子が入ったタイプの機内食が年々増えている。これらの変更や導入は、各社ともスムーズに進んでいるようだ。
一方、格安航空会社(LCC)の機内食は有料である。食べたい乗客だけその分を買えばよく、また、機内で有料購入できても割高なので、購入数は実際それほど多くない。そのため、おおよその搭載数を事前に把握でき、食品破棄といった無駄はほぼない。
大手航空会社がこのしくみをそのまま導入すると、
「LCCとの差別化」
が難しくなる。そこで出たアイデアが、「不要」「軽食」といったオプションを搭乗者が事前選択するといったものなのだろう。
先行したJALでこのオプションがすでに定着しつつあるのを見ると、一定のニーズがあると考えられる。SDGsと合わせ、機内食の有無を乗客が選べる、食品廃棄問題の解決にもつながる。今後さらにどう進むか注目したい。
※2023年4月18日22時3分 一部内容について修正・加筆を行いました。