大型複合施設が「負の遺産」に 岡山県津山市はなぜ中心市街地の再開発に失敗したのか? コンパクトシティ“先進地”の悲しき末路とは

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岡山県津山市の作陽高校が、生徒の確保が難しいとして4月から倉敷市へ移転した。津山市はかつてコンパクトシティの先進地ともてはやされたが、何があったのだろうか。

公共交通整備に乗り出す自治体は少数

津山駅前で発車を待つ中鉄北部バス(画像:高田泰)
津山駅前で発車を待つ中鉄北部バス(画像:高田泰)

 コンパクトシティは人口減少に合わせ、都市をコンパクト化することで行政コスト削減を目指す施策だ。津山市のように中心部に都市機能を集約して住民を誘導する方法と、富山県富山市のように公共交通を整備して中心部へ出掛けやすい環境をつくる手法が取られてきた。

 中心部に大型商業施設を整備して住民を誘導しようとする手法は、青森県青森市や秋田県秋田市などでも進められた。しかし、身の丈に合わない大型施設は負の遺産となり、効果を出せないまま地方自治体の財政を圧迫している。

 これに対し、次世代型路面電車(LRT)を整備して全国の注目を集めた富山県富山市は、中心部の活性化では評価がわかれるものの、高齢者の外出機会が増えるなど目に見える成果が上がっている。

 全国の自治体が策定している都市計画のマスタープラン(基本計画)である立地適正化計画では、大半が中心部と周辺の拠点に都市機能を集め、その間を公共交通で接続する方向を打ち出している。津山市などの失敗事例が頭にあるからで、適切な土地利用政策と公共交通の充実で都市の未来を切り開く絵を描いているわけだ。

 しかし、本気で公共交通の充実に踏み切る自治体は数えるほどしかない。地方消滅の足音が聞こえ始めた今、すぐに立ち上がらないと手遅れになる。

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