大型複合施設が「負の遺産」に 岡山県津山市はなぜ中心市街地の再開発に失敗したのか? コンパクトシティ“先進地”の悲しき末路とは

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岡山県津山市の作陽高校が、生徒の確保が難しいとして4月から倉敷市へ移転した。津山市はかつてコンパクトシティの先進地ともてはやされたが、何があったのだろうか。

「アルネ・津山」という無謀な開発

身の丈に合わない開発が問題になったアルネ津山(画像:高田泰)
身の丈に合わない開発が問題になったアルネ津山(画像:高田泰)

 アルネ・津山は地下1階、地上8階建て延べ約7万2000平方メートル。百貨店の天満屋を核店舗に専門店と公共施設が入った。7階に設けられたベルフォーレ津山は600の客席を持つコンサートホールで、スタインウェイなど世界三大ピアノをすべて保有している。

 整備費は最終的に306億円に膨れ上がった。地元だけでは巨額の資金を調達できず、国や特殊法人を通じて多額の資金が投入されたが、テナントの家賃収入が当初の事業計画を大きく下回り、施設を運営する第三セクター会社が赤字決算を続けた。

 その結果、市が商業部分の一部を買い取るなど支援せざるを得ない状況になり、当時の市長がリコールで失職する異常事態に発展した。市議会の調査特別委員会は最終報告で

「身の丈に合わない無謀な開発の結果」

と指摘している。

シャッター通り化する商店街

シャッター街と化した元魚町商店街(画像:高田泰)
シャッター街と化した元魚町商店街(画像:高田泰)

 津山さくらまつりが開催中の4月上旬、アルネ・津山を訪ねてみた。週末の昼時だったが、館内は閑散としている。テナントの確保が難しいからなのか、売り場の配置がゆったりしているようにも見えた。

 ベルフォーレ津山は4月の音楽イベントの予定が1件しか入っていない。このため、週末には「Dr.コトー診療所」など話題の映画が上映されている。事務局は

「2022年度のイベントは音楽会28回、映画上映会46回」

と教えてくれた。

 近くの元魚町商店街はシャッター通りと化していた。固く閉ざされた洋装店のシャッターには、この店が若者たちでにぎわったころを懐かしむかのように、1970年代風ファッションを身に着けた女性が描かれていた。商店街を歩いていた女性(75歳)は

「若者が減り、街に残ったのは高齢者ばかり。これでは物が売れない」

と嘆く。

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