「新幹線駅」がない自治体の盛り上げ方、いったいどうしたらいい? 北陸新幹線延伸を例に考える

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新幹線の駅がないまちは、今後いかなる手段で地域を盛り上げていくべきなのだろうか。そもそも、新幹線整備が進んだ地域の経済効果はどのくらいなのか。

ブランディングで「古臭い」脱却

漆器メーカー「漆琳堂」の色彩豊かな工芸品(画像:RENEW2022)
漆器メーカー「漆琳堂」の色彩豊かな工芸品(画像:RENEW2022)

 伝統工芸といえば、昔ながらのもの、あるいは古臭い、といったマイナスなイメージがある。しかし、越前鯖江地域の工芸品は観賞用ではなく現代でも使い続けられるように、かたちや色を変えながら残してきた。

 工芸品のデザインのほか、販売方法も変えた。RENEW開催以前は業務用として問屋に卸しているだけのメーカーが多かったが、今は顧客への直接販売も行っている。実際にRENEW開催から2022年までのあいだに、伝統工芸品を扱う新店舗が33個もオープンしている事実が、経済の盛り上がりを証明している。

 もちろん工芸品を購入してもらうことは大切だが、職人の雰囲気なども含めて、

「産地自体のファンになってもらう」

ことがイベントの最大の目的だという。そうすればRENEWのイベントはもちろんのことそれ以外の面でも応援してもらいやすくなり、事業者も顧客もWin-Winの関係になる。

タクシーチケットで観光客の「足」を確保

「RENEW2022」のウェブサイト(画像:RENEW2022)
「RENEW2022」のウェブサイト(画像:RENEW2022)

 RENEWでは普段はなかなか見られない工房内部が開放されて見学できるようになっているが、福井県は車社会である。車のない観光客にとって、移動はかなり不便だ。

 そこでRENEWでは、レンタサイクルに加え、越前市や鯖江市の工房を行き来できるタクシーチケットを販売している。

 個人がそれぞれのタクシー会社に連絡して乗降するシステムだが、距離にかかわらず同じ市内なら500円、市をまたぐ場合は1000円で行き来することができる。

 紙のチケットに加えて「RYDE PASS(ライドパス)」アプリにてデジタルチケットの購入ができるようになり、利便性に拍車がかかったかたちだ。

 上記で挙げたタクシーチケットはRENEW期間中しか利用できないが、新幹線がないまちではこうした2次交通の充実が重要となってくる。

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