「新幹線駅」がない自治体の盛り上げ方、いったいどうしたらいい? 北陸新幹線延伸を例に考える
新幹線の駅がないまちは、今後いかなる手段で地域を盛り上げていくべきなのだろうか。そもそも、新幹線整備が進んだ地域の経済効果はどのくらいなのか。
復興のヒントは「産業観光」

新幹線の駅を呼び込めた地域はさておき、新幹線と縁のないまちは自力で地域を盛り上げていかなければならない。筆者(佐野響、フリーライター)は、新たな観光のあり方である産業観光の需要をうまく取り込むことが、まちの復興において重要だと考える。
産業観光という言葉を初めて聞く人も少なくないだろう。JTB総合研究所によると、産業観光とは
「その地域特有の産業に係るもの(工場、職人、製品など)、ならびに昔の工場跡や産業発祥の地などの産業遺構を観光資源とする旅行のこと」
と定義されている。いわゆる、工場見学ツアーや伝統工芸体験教室といったものである。
実際に、産業観光を組み込んで成功している地域の例を挙げよう。現在、福井県では毎年10月に鯖江市、越前市、越前町の3市町をまたいで、日本最大のオープンファクトリーイベント「RENEW(リニュー)」が開催されている。
2022年に行われた「RENEW2022」では、3日間で延べ3万7000人が来場。過去最高となる3000万円の売り上げを記録し、ファクトリーイベントとしては近年で一番の盛り上がりを見せた。ちなみに、RENEW開催地で新幹線の駅があるのは越前市のみで、鯖江市、越前町には停車駅はない。
REVEWの成功には、ふたつのポイントがある。
・ブランディング戦略
・移動の「足」の確保
である。