MT車の販売比率わずか「1%」も なぜかしぶとく生き残っているワケ そもそも運転本来の魅力とは何なのか

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日本国内におけるMT車の販売比率はわずか「1%」である。このまま絶滅してしまうのか。

日本と海外での車事情

主要メーカーの電気自動車販売台数推移(画像:マークラインズ)
主要メーカーの電気自動車販売台数推移(画像:マークラインズ)

 欧州ではいまだにMT車が主流で、保有車両が全体の8~9割を占めているのをご存じだろうか。

 理由としては、車に対する考え方の違いがある。日本では車は「移動手段」というだけでなく「快適に過ごせる空間」という認識がある。休憩時間に車のなかで眠るドライバーを見るように、日本人にとって車はプライベートな空間を確保できる「移動個室」でもあるわけだ。

 一方、欧州ではあくまで車は移動手段に過ぎない。「リラックスして思い通りに走れる装置が整っていればいい」という考えである。欧州は日本より比較的渋滞が少なく、MT車の利点を実感しやすい。頻繁にギアシフトが必要にならない大きく長い道路が多いことで、燃費も身体的負担も軽くなる。これらの理由から、欧州ではAT車よりMT車を選ぶ人がまだまだ多い。

 欧州市場の大きさを考慮すれば、前述の理由からエンジン車の容認が広がる可能性は高い。トランスミッションが生き残る道は、すなわちMT車が生き残る道でもある。「運転の楽しさ」がある限り、世界の車好きからは一定の需要があり続けるはずだ。

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