MT車の販売比率わずか「1%」も なぜかしぶとく生き残っているワケ そもそも運転本来の魅力とは何なのか

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日本国内におけるMT車の販売比率はわずか「1%」である。このまま絶滅してしまうのか。

MT車の生産は全体の1%のみ

マニュアルミッションの車種は絶滅危惧種(画像:写真AC)
マニュアルミッションの車種は絶滅危惧種(画像:写真AC)

 車好きならマニュアルトランスミッション(MT)車一択――という時代も今は昔。最近はどの企業も新車購入時のMTオプションを廃し、オートマチックトランスミッション(AT)一色になりつつある。

 日本自動車販売協会連合会の調査によると、2019年のMT車の販売比率はわずか

「1.4%」

である。同調査によれば、普通自動車免許の新規取得者の7割程度がAT限定免許を選択している。いわずもがな、AT限定免許取得者はAT車の購入しか選択肢がないため、MT者が売れなくなるのも自然な成り行きといえる。

 MT車の生産が減少したのは、日本特有の交通状況が影響するところも大きい。日本は渋滞が非常に多く、MT車を操作する楽しさより煩雑さが勝ってしまう。クリープ現象(アイドリング状態で車両が動くこと)があるAT車に比べて、クラッチやギアの切り替えなどが忙しいMT車は、ストップアンドゴーが面倒なのだ。

 警視庁の調査によると、2011(平成23)年度におけるAT限定免許所持者の割合は36.7%だったのに対し、2018年度には

「64.9%」

にまで増加している。AT車しか生産されず、AT限定免許取得者が増加する傾向にあるなか、MT車はこのまま絶滅してしまうのだろうか。

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