MT車の販売比率わずか「1%」も なぜかしぶとく生き残っているワケ そもそも運転本来の魅力とは何なのか

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日本国内におけるMT車の販売比率はわずか「1%」である。このまま絶滅してしまうのか。

EV推進がMT車に及ぼす影響

電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア(画像:マークラインズ)
電気自動車(BEV/PHV/FCV)のシェア(画像:マークラインズ)

 MT車絶滅の懸念は、電気自動車(EV)推進の世界的な流行にも見て取れる。

 EVはガソリンなどの化石燃料に比べて燃費が良い・環境負荷が少ないといったメリットが推され、近年国内外で急速に販売量が拡大している。ただ、欧州連合(EU)はエンジン車(ハイブリッド車を含む)の新車販売を2035年までに全面禁止する方針を先日転換し、環境に良い合成燃料で走るエンジン車の販売は認めると発表している。

 基本的にモーターで稼働するEVには、トランスミッションが必要ない。EVはエンジンのような限られたパワーバンド(エンジンが最も効率よく力を発揮できる回転域)を常に選ぶ必要はなく、トランスミッションそのものがなくても成り立つためだ。

 モーターはゼロから最高効率のパワーを発揮することができるため、実質的にギアの選択が不要である。時代は「面倒だからAT車でいい」から、EVの普及で「そもそもMT車がない」に徐々に変わろうとしている。

 しかしこうしたなかでも、2022年にトヨタのGRスープラがRZグレードへマニュアルミッションを新規設定。2023年に商品改良をおこなったMAZDA2も、15 SPORTといった車種ではMTオプションを残した。大いに逆風を浴びながらも、メーカーがMT車を販売するのにはワケがある。

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