タクシーの“パートタイム運転手”は今後増えるのか? 気になる「歩合制」「隔日勤務」の行方、現役ドライバーが考える

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モビリティテクノロジーズと日本交通が、タクシーアプリ注文のみを受け取る車両「GO Reserve」、その車両に乗務し、供給不足になる特定の時間帯やエリアをカバーするための乗務員「GO Crew」を稼働している。成功するのか。

タクシードライバーの3つの勤務体系

タクシー(画像:写真AC)
タクシー(画像:写真AC)

 タクシードライバーの勤務体系には、

・日勤(朝8時に出庫して17時に帰庫など)
・夜勤(18時に出庫して翌3時ぐらいに帰庫など)
・隔日(日勤と夜勤を合わせて2日分を一気に働くイメージ)

の3体系がある。

 そのなかでも隔日勤務はタクシー特有の勤務体系で、2日分の仕事を1日でまとめてやる。そのため、月の半分以上が休みになるのだ。

 隔日勤務の魅力は、他の職種に比べて自由な時間が多く取れるところだ。その自由を求めてタクシー業界に飛び込む人も多い。前述のように多くのタクシー会社の給与体系は「歩合制」だ。

乗務員モチベーションをどう維持するのか

タクシー(画像:写真AC)
タクシー(画像:写真AC)

 さて、今回導入される「GO Reserve」「GO Crew」の時間給だが、タクシー業界で受け入れられるのか。現役タクシードライバーである筆者(二階堂運人、物流ライター)が考えるに、その際たる問題は“モチベーションの維持”にあるだろう。

 歩合給は頑張った分はそのまま成果となり、給与に反映される。しかし時間給なら

「頑張っても頑張らなくても同じ」

と考える人も当然出てくる。会社側にとっても、時間給の倍以上の売り上げをあげてもらわないと、ビジネスは成り立たない。多少の成果給をプラスするのか、ある程度のノルマを設定するのか、この辺りをどう調整するかが気になるところだ。

 タクシー業界での時間給の定着の今後は、この辺りがカギになるだろう。

 タクシーの働き方が全て「GO Crew」のようなものになるとは考えにくいが、勤務体系の多様化はタクシー業界にプラスになる。パラレルキャリアや副業が浸透しつつある現在、いまだ副業禁止のタクシー会社は多い。「GO Crew」をきっかけに副業を解禁する会社も増えてくるかもしれない。

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