タクシーの“パートタイム運転手”は今後増えるのか? 気になる「歩合制」「隔日勤務」の行方、現役ドライバーが考える
タクシー業界の深刻な人材不足
ドライバーの高齢化やコロナ禍による離職で、タクシー業界の人材不足は現在深刻な状況になっている。
少し前までは、空車のタクシーが駅や施設のタクシー乗り場にあふれかえっていたが、今や業界の景気が回復傾向にあるため、需要が増加。タクシーが足りなくなっているのだ。
そんななか、タクシーアプリ「GO」を展開するモビリティテクノロジーズ(東京都港区。4月1日より「GO株式会社」へ社名変更)と、都内ハイヤー・タクシー最大手である日本交通(千代田区)が3月7日、ハイヤー・タクシー業界の人材獲得に向けた新たな取り組みとして、
・アプリ注文のみを受け取る車両「GO Reserve(ゴーリザーブ)」
・その車両に乗務し、供給不足になる特定の時間帯やエリアをカバーするための乗務員「GO Crew(ゴークルー)」
を、順次稼働すると発表した。
業界の常識を覆す勤務体系と給与体系
「GO Reserve」と「GO Crew」は、日本交通の子会社であるハロートーキョー(江東区)にて雇用・運行管理の上、年末までに約30台・90名の体制で
・東京23区
・武蔵野市
・三鷹市
を営業予定とする。
「GO Crew」は
・週3回/1日5時間
という条件から働け、時給は1500円~となっている。そのため、副業やダブルワーク、多様化する生活スタイルに合わせられる。ようは、パートタイム制のタクシードライバーである。
「GO Crew」として雇用された乗務員は「GO Reserve」に乗務する。流し営業は一切行わずに、「GO」が受けた注文だけをこなし、かつ目的地が入力された注文のみの営業となる。決済はアプリ上で完結し、降車時の乗客との金銭のやり取りも不要である。煩わしい作業は省かれ、
・地理に不安がある人
・接客があまり得意ではない人
が難なく業務に取り組めるようになっている。
タクシー業界は、これまで
・流し営業
・隔日勤務
・歩合給
が常識だった。「GO Crew」はその常識を全て覆したのだ。