日立、仏タレスの鉄道信号事業を買収へ メリットやデジタル技術を生かす展望とは

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日立レール社が、タレス社の鉄道信号関連事業の買収を決定。両社の事業を合わせることで補完的な強みやデジタル面での急速な進展を見込んでいる。

MaaS事業の展開も加速

日立レールがタレスの鉄道信号関連事業を買収する(画像:日立レール)。
日立レールがタレスの鉄道信号関連事業を買収する(画像:日立レール)。

 日立は2021年6月4日(水)、鉄道システム事業を手掛ける日立レールがフランスの防衛・電子機器大手タレス(Thales S.A.)の鉄道信号関連事業を買収すると発表した。事業価値は16億6000万ユーロ(約2150億円)で合意したが、最終的な買収価格は様々な調整後に決定するという。買収のクロージングは、2022年度後半までに行われる。

 日立執行役常務鉄道ビジネスユニットCEOのアンドリュー・バー氏は、「私たちは、中核となる鉄道信号事業の能力を高めるだけでなく、デジタルやMaaSの成長機会も拡大していきます」と今後の展望についてコメントをしている。

 タレス社の鉄道信号事業は鉄道の信号、運行管理、通信、発券の各分野におよんでおり、ドイツ、フランス、カナダに事業本社機能を置いている。2020年の売上高は16億ユーロで、42か国に約9000人の従業員を擁する。

 日立は、日本をはじめ主にイタリア、英国、米国で鉄道システム事業を展開しており、タレス社の事業展開地域と補完しあえるメリットがある。そして、タレス社と信号システム事業を統合させることで信号事業分野の競争力を高める狙いがあり、さらにタレス社のデジタル技術を生かし、MaaS事業の展開も加速させていく計画だ。

 日立によると、買収から4年後の2026年に売上高1兆円、2桁の調整後営業利益率を目指すとしている。