52歳で年収362万円 「自動車整備士」という現代の不遇、全国で相次ぐ不正車検もまずは待遇向上からだ

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車社会に無くてはならない自動車整備士だが、職種の人気度は決して高いとは言えない。理由はシンプルで、労働が過酷な割に低賃金であるためだ。

低賃金を招く業界構造

自動車整備工場(画像:写真AC)
自動車整備工場(画像:写真AC)

 しかし、ディーラーの給与も決して高いとはいえない。

 国税庁の「令和3年分 民間給与実態統計調査」によれば、2021年の平均給与は443万円となっている。

 これは非正規雇用なども含めた、民間の事業所で給与を受けた人の平均だ。正社員に限定すると508万円になる。

 つまり、整備士全体の平均は非正規も含め、給与所得者全体よりも低賃金だ。

 かつ、専業の工場で働く整備士は、もう一段低い賃金で働いている。

 業界では賃金の高いように見えるディーラーでも、正社員の平均賃金よりも低いというわけである。

 調査からは見て取れるのは、自動車整備という仕事は給与の低い専業の自動車工場なくしては成り立たない構造になっていることだ。

工場数の6割超が専業

高速道路を走る車(画像:写真AC)
高速道路を走る車(画像:写真AC)

 自動車整備工場の数は2021年時点で、全国に9万1454か所存在している。

 うち専業は全体の61.3%にあたる5万6075か所、兼業は1万5510か所、ディーラーは1万6305か所。自家は3564か所となっている。

 また売上高で見てみると、2021年の総整備売上高は5兆5510億円。うち専業は全体の36.3%にあたる2兆144億円で、47.6%を占めるディーラー(2兆6419億円)に次ぐ割合を占めている。

 工場の数は全体の6割超を占めても、売り上げは4割未満――。繰り返しになるが、自動車整備は

・圧倒的多数の中小零細工場
・低賃金で働く整備士

によって支えられているのだ。不人気職業になるのも当然だろう。

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