軽より小型でグッドな小回り! それでも「超小型モビリティ」が普及しない決定的理由
超小型モビリティに寄せられる期待

読者の皆さんは「超小型モビリティ」を知っているだろうか。国土交通省によると、超小型モビリティとは、「自動車よりコンパクトで小回りが利き、環境性能に優れ、地域の手軽な移動の足となるひとり~ふたり乗り程度の車両」と定義されている。
また、パーソナルモビリティとも呼ばれる軽自動車よりも小型の電気自動車(EV)を指すことが多いようだ。しかし、街中で超小型モビリティを見かけることは少ない。今回はそんなの現状について説明する。
まず超小型モビリティは、その大きさや定格出力によって三つの区分に分けられている。まずは「ミニカー」のように最高速度60km/hで定格出力0.6kW以下の区分。さらに、車両の大きさは「長さ2500mm × 幅1300mm × 高さ2000mm以下」である必要がある。
次に、原動機付自転車以下の大きさの軽自動車で、最高時速60km以下の自動車。この区分では、「60km以下の車両であることを示すマーク」をステッカー等で車両後面の見やすい位置に表示する必要があり、高速自動車道等において運行しないものを指している。
最後の区分は「認定車」と呼ばれ、超小型モビリティの認定制度によって認定を受けたものが認められる。最高速度は個別の制限によるが、車両の大きさは「長さ3400mm × 幅1480mm × 高さ2000mm以下」という条件がある。さらに
・高速道路等に運行しないこと
・交通の安全と円滑を図るための措置を講じた場所での運行
という条件付きで公道走行が許可されている。
公道走行の認可は2020年。補助金を支給する意向もあってか、一気に普及するかもしれないと注目されていた。政府としては、「温室効果ガスの排出を全体としてゼロとする」ことが目標のカーボンニュートラル実現のためにもさまざまな人が活用できるモビリティとして期待を寄せていたことが伺える。