富山県「城端線」「氷見線」LRT化どうなる? 沿線自治体にのしかかる豪雪以上の財政負担、400億投資or新型車両100億揺れる行く末とは
先例は大都市圏か中核市

LRTは欧米を中心に都市旅客鉄道として普及している。従来型の路面電車に比べ、低床で障害者や高齢者が乗りやすいうえ、走行時の騒音や振動が少ない特徴を持つ。国内では
・広島電鉄(広島市)
・交通事業振興公社(札幌市)
・阪堺電気軌道(大阪市)
などがLRT車両を導入している。
国内でLRT導入の先駆けになった富山市は、JR西日本の富山港線を第三セクターの富山ライトレールに移管して2006(平成18)年、7.7kmの運行を始めた。駅や停留場を計5か所新設し、30~60分の運行間隔を15分にした結果、2019年度の1日平均利用者数が2005年度比で
・平日:約2倍
・休日:約3倍
に増えている。現在は私鉄の富山地方鉄道が運行している。
栃木県では8月、宇都宮市と芳賀町の第三セクター・宇都宮ライトレールが宇都宮市の宇都宮駅東口から芳賀町の芳賀・高根沢工業団地までの14.6kmで運行を始める。既存路線の延伸・改良を伴わない全くの新規路線でLRTが開業するのは国内初で、宇都宮駅西側へ路線を伸ばす構想もある。
岡山県では、岡山市の岡山駅と総社市の総社駅間20.4kmのJR吉備線をLRT化する計画がある。岡山、総社の両市とJR西日本がLRT化で2018年に合意したが、コロナ禍で2021年に3者協議が中断している。岡山市交通政策課は
「計画を断念したわけでないが、今のところ協議再開の話は出ていない」
という。
選ばれる交通体系とは

これらの路線は、城端線や氷見線沿線より人口が多い政令指定都市や中核市を通過する。
既存の路面電車路線にLRT車両を導入したケースも、三大都市圏や政令市、中核市ばかりだ。想定される利用客数や自治体の財政力で大きな差がある。
新交通体系に移行するのであれば、将来にわたって持続可能な公共交通として残さなければならない。
高岡市など4市は県が提示した四つの交通体系についてメリット、デメリットを精査することになるが、どの交通体系を選ぶのだろうか。