富山県「城端線」「氷見線」LRT化どうなる? 沿線自治体にのしかかる豪雪以上の財政負担、400億投資or新型車両100億揺れる行く末とは

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富山県のJR城端線、氷見線のLRT化検討が大詰めを迎えている。富山県は3月末までに一定の方向を出したい考えだが、LRT導入の財政負担の大きさを懸念する声がある。

利用客は1987年度の6割程度

城端線と氷見線(画像:(C)Google)
城端線と氷見線(画像:(C)Google)

 城端線は高岡市の高岡駅から砺波市を通って南砺市の城端駅まで29.9kmを結ぶ。氷見線は高岡駅から氷見市の氷見駅までの16.5km。城端線は沿線に富山県名物のチューリップ畑が続き、氷見線は風光明媚(めいび)な雨晴海岸沿いを通ることで鉄道ファンの人気を集めている。

 しかし、1km当たりの1日平均利用者数を示す輸送密度はコロナ禍前の2019年度で

・城端線:2923人
・氷見線:2498人

となっている。JR西日本が利用者の少ないローカル線として提示した輸送密度2000人を上回っているものの、JR西日本が発足した1987(昭和62)年度に比べ、6割程度まで落ち込んでいる。

 しかも、高岡駅を通過する北陸本線は2015年の北陸新幹線金沢延伸で、第三セクターのあいの風とやま鉄道(富山県富山市)に移管された。城端線、氷見線ともJR西日本が運営しているものの、枝の部分だけを運行する形で事業効率がよくない。このため、JR西日本は2020年、LRT化など新交通体系への移行を沿線自治体に提案した。

 最大の懸念は沿線人口がそれほど多くなく、人口減少が続いていることだ。人口は高岡市が17万人弱、砺波、南砺、氷見の3市はいずれも4万人台。4市を合計しても先行してLRTを導入した中核市の富山県富山市41万人に及ばない。

 しかも、城端線と氷見線は全線単線の非電化区間。LRTの導入には費用がかさむ。南砺市が北陸屈指の豪雪地帯であることも考慮しなければならない。氷見市地域振興課は

「庁内で試算結果を持ち帰り、検討している段階。まだ結論を出したわけではない」

としているが、導入のハードルの高さに困惑している様子だ。

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