今どき「軽自動車 = 貧乏人」とは片腹痛い! 普通車からの乗り換えで大注目の存在、なぜイケてるのか徹底解剖する

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近年、軽自動車を選ぶユーザー-が増加傾向にある。全国軽自動車協会連合会の新車販売確報でも前年同月比は好調だ。

「狭い」「パワー足りない」の過去イメージ払拭

ゆとりのある広さを実現した「エブリイワゴン」の車内イメージ(画像:スズキ)
ゆとりのある広さを実現した「エブリイワゴン」の車内イメージ(画像:スズキ)

 維持費が安い軽自動車だが、小型のパッケージングがゆえに、どうしても「狭い」「パワー不足」という感覚が拭えないのも事実だ。

 国が定めた軽自動車の車格は、全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2m以下、排気量660cc以下、定員4人以下、最大積載量が350kgまでとなる。この限られたスペースとエンジン出力のせいで、窮屈さや非力さを感じてしまう人もいるだろう。しかし、これらの要素を払拭(ふっしょく)するモデルが続々と登場している。

 まず「車内の狭さ」だが、各メーカーは規格の限界までこだわったモデルを輩出。そこで数ある軽自動車のなかでも、トップクラスの広さを誇るスズキの「エブリイワゴン」を例に挙げてみよう。

 車体の大きさは、全長3395mm(全長)×1475mm(全幅)×1910mm(全高・ハイルーフ)であり、全長と全幅においては規格まで5mmというところまで攻めている。そして室内も、2240mm(室内長)×1355mm(室内幅)×1420mm(室内高・ハイルーフ)となっており、小さい子どもが立っても余裕があるほどの広さだ。

 後部座席も、大人が窮屈と感じることなく、ゆったりと座れる空間を実現。軽自動車とは思えぬ広々とした空間は、「限られたスペースを最大限有効活用させよう」というメーカーの努力のたまものだ。

 一方、パワー面はどうだろうか。エブリイワゴンのエンジン出力は64馬力だが、この程度なら、街乗りで便利に活用できる範囲内だ。しかし傾斜が急な上り坂や、高速道路の合流車線などをはじめとする急加速を要する場面においては、パワー不足を否めない瞬間もある。

 だが、最大馬力をそのままに最大トルクを上げ、加速度を向上させた車種も登場。ホンダが開発した軽自動車向けのエンジン「S07エンジン」は、ボアストロークを拡大しつつ小型ターボチャージャーの恩恵を利用して、最大馬力を64psのままに、最大トルクを10.6kgmまで上げている。このS07エンジンは2種類存在し、「S07Aエンジン」はS660、「S07Bエンジン」はN-BOX Custom(JF3型)などで採用されている。

 排気量のボトルネックを抱える軽自動車だが、このように「狭い」「パワー不足」を解消するモデルが登場しつつある。街乗り程度の話であれば、もはや普通車と同等かそれ以上の魅力を兼ね備えているといってもいい。

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