「人間は交通事故を必ず起こす」 こんな失敗前提に立った最先端の安全対策「ビジョンゼロ」をご存じか【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(9)
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「人間は交通事故を起こしてしまう」という事を前提に、たとえ起こったとしても「重傷化させないための道づくり」を推進する交通政策「ビジョンゼロ」を解説する。
「歩行者ファースト」の精神を

日本でも今やウオーカブル政策が注目され、国の重要政策としても位置付けられ、全国各地でウオーカブル政策が推進されてきている。それ自体は喜ばしいことだが、自動車や自転車の走行や横断を気にせず、安心して歩行できる空間が日本にどれほどあるだろうか。安心して家族や友達と歩行できる空間がどれほどあるだろうか。また、戦後、このような空間がどれほど拡充されてきたであろうか。
ニューヨークの取り組みが示しているように、歩道や歩行空間の充実だけではなく、交差点の歩行者横断、公共交通の乗降のしやすさや乗降空間、自転車と歩行者の錯綜(さくそう)を緩和した対策なども組み合わせた「歩行者ファースト」の精神、「ビジョンゼロ」による歩行者の安全対策が、これからのわが国における安全対策の最優先事項であろう。
安全対策と表裏一体の存在として、ウオーカブルな空間や政策があることを忘れてはならない。