率直に問う 「ドイツ製戦車」はなぜ世界中から支持されるのか? 「レオパルト2」ウクライナ供与で考える
レオ1、レオ2の独戦車がそろってウクライナの戦場で活躍することになるようだが、なぜこれほど独戦車はこれほど人気があるのか。
実は実戦経験は米英に比べ極めて少ない

問題は「実戦経験の少なさ」である。正確に言えば、実はレオ1、レオ2も国連平和維持活動(PKO)やゲリラ掃討戦に投入されてはいるものの、正規軍との戦いやましてや戦車戦の経験などはほぼ皆無な点が気になる。
レオ1は1990年代にクロアチアやボスニア・ヘルツェゴビナなど旧ユーゴスラビア紛争に(PKO部隊として)、レオ2は2000年代のアフガニスタン戦争(同)や2010年代のシリア内戦(介入したトルコ軍が装備)などにそれぞれ参戦しているが、あくまでも対ゲリラ戦やPKO活動にすぎない。
それでもアフガニスタンやシリアでは不発爆弾を再利用した即席爆弾(IED)やATMの攻撃で何台かが大破している。
これに対しM1やチャレンジャー2は、湾岸戦争やイラク戦争でイラク軍と戦火を交えているのが強みだろう。果たして「優秀なMBT」なのか否か、真価が試されるのはこれからである。