横浜を素通り? 京急運賃「値上げ」「値下げ」同時実施に透けて見える、したたかな思惑
京浜急行電鉄は2023年秋、運賃値上げを予定しているが、41km以上は値下げするという、「値上げ」「値下げ」同時実施となる。その狙いを考察する。
品川~三崎口、200円超安く
まずは、国土交通省に認可申請した運賃改定の概要を見てみよう。
改定率は、普通運賃10.7%、通勤定期11.9%、通学定期は0%(据え置き)。トータルの改定率は10.8%となる。これらによって、京急は10.1%の増収を見込む。
例えば、品川~羽田空港第1・第2ターミナルの普通運賃で見ると、現行292円(PASMO、SuicaなどIC乗車券の運賃。以下同)が327円となり、35円の値上げ。品川~金沢文庫では、現行492円が510円となり、18円高くなる。
一方で、41キロ以上の区間では、大胆な値下げが断行される。
品川~京急久里浜は、現行796円が710円となり、86円の値下げ。品川~三崎口に至っては、943円が740円と、実に200円以上も安くなるのだ。
新運賃は、認可されれば、2023年10月にも適用される計画である。