横浜を素通り? 京急運賃「値上げ」「値下げ」同時実施に透けて見える、したたかな思惑

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京浜急行電鉄は2023年秋、運賃値上げを予定しているが、41km以上は値下げするという、「値上げ」「値下げ」同時実施となる。その狙いを考察する。

41km以上は値下げ

京急の電車(画像:写真AC)
京急の電車(画像:写真AC)

 京浜急行電鉄は2023年秋、28年ぶり(消費税率変更に伴う改定を除く)となる運賃値上げに踏み切る。コロナ禍で鉄道事業が2期連続の営業赤字となったことを受けたもので、同じ理由から相次いで値上げを発表したJRや他の大手私鉄に追随した。

 しかし、京急の場合は一律の値上げではない。近距離の普通運賃を値上げする一方で、通学定期運賃は家計負担に配慮して据え置き、さらに、41km以上の普通運賃については「値下げ」するのだ。背景には、三浦半島を中心とした沿線の定住促進や観光需要創出などがあるが、特に注目すべきは、京急最大の乗降客数を誇る横浜駅を「素通り」させる狙いが透けて見えることだ。

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