JR九州「ダイヤ改正」の強烈過ぎる副作用 乗客の利便性低下はまだ甘い、本丸は福岡市の発展阻害だ

キーワード :
, , ,
2022年の西九州新幹線開業によって、新たなスタートを切ったJR九州。そんなJR九州で乗客の不満が激増している。

減便で大混雑発生

鹿児島本線(画像:写真AC)
鹿児島本線(画像:写真AC)

 2022年の西九州新幹線開業によって、新たなスタートを切ったJR九州。そんなJR九州で乗客の不満が激増している。

 福岡県内の鹿児島本線などで、新型コロナウイルス感染拡大による乗客減により減便を実施したところ、大規模な混雑がするという問題が浮上したのだ。

 この問題は鉄道利用者だけの問題ではなく、福岡都市圏の今後を左右するものになりかねない。

 福岡都市圏の鹿児島本線で朝夕の減便が実施されたのは、2022年9月のダイヤ改正でのこと。コロナ禍で乗客が減少したことが理由だ。

 これにより、博多駅では平日朝のラッシュ時に到着する快速と普通列車が31本から26本に減った。本数だけでなく、編成車両も224両から210両になった。乗客の利便性は明らかに低下している。

地元紙アンケートで「9割以上」が不満意向

地元紙『西日本新聞』のウェブサイト(画像:西日本新聞)
地元紙『西日本新聞』のウェブサイト(画像:西日本新聞)

 地元紙『西日本新聞』が独自に行っているダイヤ改正に対するアンケートによると、改正に「不満」「やや不満」が

「9割以上」

を占めていると報じられている。乗車のときだけではなく、減便によってホームに大勢の乗客が滞留するようになり、事故の危険性も増している。

 乗客からの声を受けて、JR九州ではホームに要員を配置して安全確保に努めるほか、博多駅を夕方以降に発車する7本の列車を6両から9両編成に変更し、3月のダイヤ改正で夕方の普通列車1本の運転区間延長を行うことで対応するとしている。それでも、同社に対する乗客の不満が解消するかは不透明だ。

 というのも、JR九州の合理化によって福岡都市圏の乗客からはかねてより不満の声があがっているからだ。去る2021年3月から、JR九州では鹿児島本線のほか、長崎本線・日豊本線で使用されている一部の車両で座席撤去を開始している。これは、各路線で運行されている「813系」の車両246両のうち、153両を対象として行われたものだ。

 クロスシートを採用している813系では「混雑緩和の改善効果が大きい」として実施されたものだが、これにも乗客から不満が寄せられた。

 従来813系は1両あたりの座席数が40~50座席だったが、この施策では一車両あたり16席を目安に座席の撤去が行われ、これまで通勤通学の際に座ることができた乗客が座れなくなった。また作業の際、座席下のヒーターまで撤去されたことも問題とされている。

全てのコメントを見る