鉄道会社が加速させた80~90年代「スキーブーム」 ゲレンデに“恋の嵐”が吹き荒れたッ! 魔法をかけたのは誰? 「それはJR SKISKIです」

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スキーはバブル期、若者を中心にした定番スポーツレジャーだった。このような一大ブームが形成されたことには、大手交通機関の戦略が大きく影響している。

近年はやや盛り返す動きも

スキー場でのグランピング(画像:アルピナリゾーツ)
スキー場でのグランピング(画像:アルピナリゾーツ)

 近年はやや盛り返す動きも見られる。2010年代後半からはインバウンドのスキー場利用が増加している。特に北海道のゲレンデはインバウンドのスキーヤーに人気が高く、海外資本が外国人向けにリゾート開発する事態となっている。

 また、国内市場を見ると、ブーム期にスキーに興じた若者が今は親世代となり、親子でスキーを楽しみたいというファミリーが増加している。集客のためにファミリーへのサービスを強化するスキー場も見られるようになった。

 しかし、盛り返していると言ってもそれはかつてのブーム期に届くものではない。若者のスキー離れは深刻であり、スキーに誘われる機会、体験する機会も少なくなっている。

 かつてのブームでは総合的に生み出されたスキーリゾートのイメージが市場をけん引した。今もスキーリゾートは都会とは隔絶した、ロマンチックで非日常的な世界であることには変わりがない。日常生活を忘れ、リフレッシュさせてくれる場所と言えるだろう。

 近年はスキー場でグランピングイベントを実施するところも見られる。スポーツとしてのスキーははじめるのに敷居が高かったりするが、スキーにこだわらず間口を広げることで、スキーを体験する機会も増えていくのではないだろうか。

 これからのスキーリゾートはスキーだけでなく、現代のニーズに即した新たな価値を生み出すことが期待される。

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