車両はタクシー、でも名前は「コミュニティーバス」 なぜこんな珍現象が香川県で起きたのか?
香川県高松市で、2022年12月からコミュニティーバスの試験運行が始まった。公共交通機関の失われた地域に登場した、新たな生活の足である。ところが、なんと使用しているのがバスではなくタクシーなのだ。
国交省の定義とは

前述のように、コミュニティーバスと名乗ってもタクシー車両を使っているケースは少なくない。国土交通省の「コミュニティバスの導入に関するガイドライン」によると、次のように定義されている。
「交通空白地域・不便地域の解消等を図るため、市町村等が主体的に計画し、以下の方法により運行するものをいう 1:一般乗合旅客自動車運送事業者に委託して運送を行う乗合バス(乗車定員11人未満の車両を用いる乗合タクシーを含む。) 2:市町村自らが自家用有償旅客運送者の登録を受けて行う「市町村運営有償運送」」
つまり、タクシー車両を使ってもこの定義ではコミュニティーバスとなるわけだ。
そんなコミュニティーバスだが、新たな交通手段に移行する動きも見られる。その本命とされるのがデマンドタクシーだ。これは決まった路線を走らず、予約した人の家を回る乗り合いタクシーだ。
バス乗り場まで移動する必要がないため、高齢化社会により適した手段といえる。長野県松川町は2022年12月、コミュニティーバスの一部路線を廃止しデマンドタクシーの増車を実施している。事前予約が必要なことを除けば、間違いなく普及していくだろう。