米新車販売「トヨタ首位陥落」で露呈した、米国市場の特殊性 EV復権の波も中長期の覇者は誰だ
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トヨタ自動車は2021年、米国で230万台を販売し、首位を奪取した。一方で2022年は210万台に減少、230万台を生産したGMが首位に返り咲いた。今後どうなるのか。
ガラパゴスな北米市場

さて、ここで世界第2の米国自動車市場の現状を見てみよう。
米国民の車に対する嗜好は特殊で、大型・大排気量のV8エンジン車を好む。カー・アンド・ドライバー誌によると、2022年上半期の販売台数ランキング上位3車は、
・Fシリーズ(フォード)
・シルバラード(GM)
・ラム(ステランティス)
で、すべてフルサイズのピックアップトラックだ。トヨタ・日産も北米専用のピックアップトラックを販売している。また、スポーツタイプ多目的車(SUV)の人気は世界共通の現象で、上位20車中10車がSUVで、セダンは5車にすぎない。
ピックアップトラックの電気自動車(EV)化も急速に進んでおり、フォードはすでにF150ライトニングを販売中で、GM、ステランティス、テスラも開発中だ。
トヨタは中型ピックアップのタコマ、セダンのカムリ、カローラのハイブリッド車(HV)3車、RAV4とハイランダーのプラグインハイブリッド車(PHV)2車を販売中で、タコマのEVは計画中だ。EV専用SUVのbZ4xは2023年に米国に導入される。