なぜタクシーには似たような車両が多いのか? 近年変化も、その実情とは
街中のタクシーをよく見てみると、どの会社も似ている気。実際、ネット上では、「以前はトヨタのクラウンコンフォートばかりだった」という声も。
トヨタ車の優位性
さらに、数多くのメーカーがありながら、なぜトヨタの車両が選ばれたのだろうか。
タクシーは2015年まで、乗客の安全を守るため
・座席の寸法や乗降口の構造
・乗客に与える振動や衝撃を緩和するための“前方の座席との間隙”
など、厳しい制限が設けられていた。しかし、車両自体の安全性が向上している傾向をふまえて、国土交通省はタクシー車両の基準緩和を公表。保安基準の一部基準が廃止となった。
これにより従来の「タクシー仕様」は不要となったが、逆に2015年までは規制が厳しかったこともあり、タクシー専用に作られた車でなければ基準を満たせなかったのだ。
クラウンコンフォートやコンフォートはタクシードライバーのニーズを追求しており、運転手の疲労を軽減する座席の硬さ・ポジションの最適化や、高い操作性についても定評がある。当然、旅客を乗せて走行する前提のため、後部座席の設計は広めで乗りやすさにも配慮されている。
さらに車体価格も150~250万円とリーズナブルで、耐久性に優れているのも魅力だ。毎日の走行距離が非常に長いタクシーだからこそ、高耐久かつ整備工場が充実しており「安心して使える」という大きなメリットがあるのだ。
それでいて外観はシックで高級感があり、見栄えが良いというのもタクシー業界ならではのポイントといえるだろう。