飛行機と鳥が衝突! なぜ「バードストライク」対策は進歩しないのか
豚や鷹がバードストライク対策に

空港の設営は広大な敷地な敷地を必要とするため、郊外に設営されることが多い。すると鳥の営巣地が存在する可能性も高くなり、空港の近くを飛び交う鳥がバードストライクの原因になる。
オランダでは空港近辺に小麦などの畑が多くあり、収穫後の畑には鳥が集まる。当然、空港近くを鳥が飛び回ることになり、事故の確率が高い状態に悩まされていた。そこでオランダ最大の国際空港であるアムステルダム・スキポール空港では、鳥が寄り付く原因となっている畑に豚を放した。豚たちが畑に残っている作物を食べることで、鳥が集まらないようにするという奇策だ。
また、同様に動物を使用する対策として「ファルコンリー」と呼ばれるものがあり、鷹を使う。この方法は1960年代にアメリカで行われていたが、鳥の数があまりにも多すぎて効果はなかったようだ。
動物を使用した奇策が取られた一方で、飛行機から超音波や赤外線を発する方法やエンジン部に目玉模様を施し、警戒させ近づかせない方法も存在した。しかし、鳥は想像以上に賢く、だんだんと慣れてしまい効果がなくなった。
またほかに、飛行機の構造自体を変えるという大胆な案も出てきている。
プロペラなし、という選択

バードストライクによる重大な事故は、「プロペラから鳥が入り込み、エンジン部分に吸い込まれる」ことで発生する。そもそもプロペラがない飛行機を使用すればよいのでは、という改造案が出されたこともある。
一例として、2018年にはプロペラを持たない無プロペラ機が話題になった。この飛行機はプロペラを持たない代わりにイオン風を使って推進する。大きさは幅が5mほどの小型飛行機であったが、イオン風を使うと30m以上飛行距離が伸びたことから、イオン風は十分な推進力を持っていることがわかった。
もちろん現状の出力では動力として旅客機や貨物機などに転用するのは難しいだろう。大型飛行機で実現できるのはまだまだ先の技術かもしれないが、将来的に航空業界の発展につながる試行錯誤のひとつといえるはずだ。