「全国旅行支援」で観光需要は本当に回復するのか? 物価高で消費者の“節約志向”加速、レジャーはその対象にならないか

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全国旅行支援だけでなく、10月に入ってからアフターコロナの観光市場回復に向けた施策が動き出している。ここではその展望を見ていきたい。

10月以降、活発化する国内観光

インバウンドのイメージ(画像:写真AC)
インバウンドのイメージ(画像:写真AC)

 さらに、10月11日からは観光目的の外国人の入国規制が大幅に緩和され、個人旅行も解禁された。わが国の観光産業を左右するインバウンド(訪日外国人)マーケットは、コロナ感染以前には月に

「250万~300万人」

の入国が見られたが、コロナによる入国規制によってこの2年間は消滅した状態であった。2022年後半からは世界的なインフレに対する各国の利上げから円安が加速、円安メリット享受のためにもインバウンドの復活が希求されていた。

 また、観光ではないが、東京都では中断されていた「GoToイート」が10月26日に開始されている。デジタル食事券の販売は終了したが、アナログ食事券は販売中で、1万円購入につき1万2500円利用が可能。長引くコロナ禍によって家で食事する人が増えており、東京都は飲食業の市場回復のために外食を喚起することが必要と考えている。

 このような施策を背景に10月以降は国内観光が活発化しており、大型観光地には観光客が一気に戻ってきている。人気観光スポットでは久々に人で混雑する風景が見られるようになった。インバウンドも街中に如実に増えている。しかし、長期的な視点で考えると新たな不安材料もあり、さまざまな課題が見えてくる。

 心配されるのはコロナの感染拡大状況に加え、円安・物価高によって

「消費者の節約志向が強まる」

ことだ。現在はアメリカの物価上昇にやや減速が見られ、1ドル140円代後半だった時期と比較するとやや円高方向に振れているが(11月25日時点)、先行きは依然不透明である。すでにさまざまな商品で値上げが相次いでいるが、このまま食品など生活必需品の値上げが続けば、家計は圧迫し続けられる。

 家計の節約志向が強まると真っ先に節約されるのは

「レジャー」

だ。バブル崩壊、リーマンショックなど過去の事例を見ても、景気後退時には身近な場所でお金をかけないレジャーへ人が流れる傾向は顕著である。

 さらに、長いコロナ禍で消費者は身近で手軽に遊ぶ工夫にもたけてきており、リアルの観光への高額支出は抑制されやすくなっている。第8波の影響があまりなかったとしても、“リベンジトラベル”も春過ぎごろには一巡するだろう。

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