国内にわずか5台! コマツの「水陸両用ブルドーザー」は、どんな現場で使われているのか?

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世界に知られる建機メーカー、小松製作所。なかでも特徴的なのが、他に類を見ない水陸両用ブルドーザーだ。全国にわずか5台、どのような現場で活躍しているのか?

操縦席には操縦装置なし?

コマツ製の水陸両用ブルドーザー「コマツD155W-1」(画像:守山進)
コマツ製の水陸両用ブルドーザー「コマツD155W-1」(画像:守山進)

 この巨大ダクトを除くと全体の印象はいわゆるブルドーザーそのものではあるが、通常のモデルではオペレーターが乗る操縦席部分には操縦装置などはない。

 水中での作業に対応するため、エンジンカバー側面や上面のアクセスパネル、後部の補機類、燃料タンク、作動油タンクには厳重な水密シールが行われており、多数のボルトで固定されていることからもそれが理解できる。

 足周りはこれも通常のブルドーザーに準じてはいるが、駆動スプロケットのトランスミッションからのシャフトには防水処理が厳重に行われている。

 ブルドーザーとしての作業機器についてはフロントの油圧作動ドーザーブレード(排土板)の構造自体は通常のモデルに準じているが、それに加えてエプロンと呼ばれる油圧可動のカバーが設けられているのが特徴である。

 これは水中で排土作業を行う上での重要な装備であり、ブレードに収めた土砂が水流で流れてしまうのを防ぐ構造となっている。

 後部にはこれも油圧作動の三本爪のリッパが装備されており、整地用のブレードも併せて装備されている。

 要求された作業内容によってはこの部分にいわゆるバックホースタイルの掘削機や小型のクレーンを装着することもできるが、その操作は無線による遠隔ではなく、有人オペレーターによるものとなる。

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