「エスカレーターで歩くな」はしょせん建前か? 利用者ほぼ“ガン無視”の現実、乗り方めぐって暴行事件も 加速する同調圧力社会の行方とは

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駅構内のエスカレーターでは、利用者が皆、「片側空け」「歩き行為」を行っている。なぜなのか。それに疑問を持つ人はいないのか。

JR秋葉原駅で起きた蛮行

JR秋葉原駅(画像:写真AC)
JR秋葉原駅(画像:写真AC)

 しかし12月1日、ついにこのJR秋葉原駅のエスカレーターで立って利用していた80代男性に「迷惑なんだよ」と蹴りつけ、床に投げつけるなどの暴行を加えた61歳の自称会社員の男が逮捕された。

 事件そのものは1月29日に起きたものだが、防犯カメラの映像から特定された。「エスカレーターで歩かない」といった趣旨のことを言われたと自称会社員は語るが、それ以前に秋葉原駅のエスカレーターにはデカデカと歩行禁止を呼びかける「歩かず立ち止まろう」的なポスターが掲示されている。

 しかしこうしている間にも、駅構内のみなさんはきっちり左側を空け、一部が空いた右側を歩く。若い男性に至っては土地柄だろうか、大きなリュックサックにアニメキャラクターのストラップを振り散らかしながら一段抜かしの全速力で下る。何かイベントでもあるのだろうか。せっかくのポスターは無力だった。

 もちろん、土地柄関係なく、このエスカレーターにおける「風習」は左空け、右空け等のルールの違いはあるにせよエスカレーターでの歩行、走行とセットで全国各地の日常となっている。

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