「エスカレーターで歩くな」はしょせん建前か? 利用者ほぼ“ガン無視”の現実、乗り方めぐって暴行事件も 加速する同調圧力社会の行方とは

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駅構内のエスカレーターでは、利用者が皆、「片側空け」「歩き行為」を行っている。なぜなのか。それに疑問を持つ人はいないのか。

本当に難しい問題

エスカレーター(画像:写真AC)
エスカレーター(画像:写真AC)

 今回のヒアリングの中には利用者から

「最近のエスカレーターは遅い」

という声もあった。特に商業施設では高齢者や児童、障がい者のためにあえて遅くしているエスカレーターもある。それぞれの事情で、本当に難しい問題だ。

 多くがエスカレーターの決まりを守らない、守れないこの状況。現実に即した技術の向上やユニバーサルデザインの進化はもちろん、そもそも

・エスカレーターで歩くことは他者を妨げてトラブルになることより危険なのか
・片側で1列に並ぶことはエスカレーターに負担をかけるのか

など抜本的な問題として、自治体や事業者だけでなく国として取り組まない限り、国民は日々、エスカレーターで日常の「風習」と他者の「空気」のほうを優先せざるをえないように思う。

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