野岩鉄道は今が正念場? クラファン2000万円獲得も 「リバティ会津」との関係が気がかりだ

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“日光・鬼怒川・会津方面の顔”として一時代を築き上げた6050系だが、老朽化や運転体系の変更もあり、東武と会津鉄道の所属車は2022年3月12日のダイヤ改正で定期運用を終了している。

今後の課題は野岩鉄道の乗車人員回復なるか

特急「リバティ会津」は浅草~会津田島間を結ぶ(画像:岸田法眼)
特急「リバティ会津」は浅草~会津田島間を結ぶ(画像:岸田法眼)

 野岩鉄道がクラウドファンディングに成功した以上、これからが正念場である。

 2023年春にダイヤ改正を実施するのなら、東武や会津鉄道の接続列車に影響を与えないかたちで、絶景車窓で徐行や一時停止のサービスを行い、“列車そのものを観光地”にするのも一考だ。

 野岩鉄道にとって、もっとも気がかりなのは特急「リバティ会津」だろう。東武の特急「リバティけごん」「リバティ会津」「リバティきぬ」は、2017年4月21日のデビュー当初、下今市~東武日光・会津田島間に限り、特急券なしでも乗車できる態勢をとっていた。

 これにより、特急「リバティけごん」「リバティ会津」が併結する浅草~下今市間では、特急「リバティ会津」が満席の際、特急「リバティけごん」の特急券を確保すれば、編成を分割する下今市で特急「リバティ会津」に乗り換えることができた(その逆も可能だった)。

 ところが2022年3月12日のダイヤ改正で、特急券なしで乗車できる区間が鬼怒川温泉~会津田島間に短縮されてしまい、上記の乗り継ぎができなくなってしまう。特急「リバティ会津」の満席時は新藤原から先が遠くなってしまったのだ。この施策だと野岩鉄道および、会津鉄道の乗車人員減少に歯止めがかからない要因につながってしまうのではないか。

 東武は6050系の快速、区間快速を廃止してまで特急の格上げを推進した以上、今一度、特急券なしで乗車できる区間を元に戻してはどうだろうか。

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