野岩鉄道は今が正念場? クラファン2000万円獲得も 「リバティ会津」との関係が気がかりだ
野岩鉄道所属車のみ運行を継続

2022年3月12日以降、6050系は野岩鉄道所属車のみ活躍が続いている。その背景として考えられるのは、ワンマン運転が行われていないことだ。
現在、6050系の各駅停車が5往復、東武の特急「リバティ会津」(鬼怒川温泉~会津田島間は特急券を買わなくても乗車できる)が4往復、会津鉄道の快速「AIZUマウントエクスプレス」が1往復運転されている。東武と会津鉄道にはさまれた路線のため、下りは新藤原、上りは会津高原尾瀬口を発車すると、車掌が車内を巡回し、乗客のきっぷを確認する。
さらに6050系と特急「リバティ会津」用の車両(東武500系リバティ)は、当初からワンマン運転に関する機器が搭載されていないこと。野岩鉄道は気動車の運転に必要な甲種内燃車免許を持つ乗務員がひとりもいないことから、快速「AIZUマウントエクスプレス」は会津鉄道の乗務員も“直通”する。
これらが幸いし、野岩鉄道所属の6050系が引き続き活躍できるのだ。ただ、ダイヤ改正後、東武との直通運転区間が鬼怒川線鬼怒川温泉~新藤原間に短縮されたため、南栗橋車両管区新栃木出張所の自動洗車機が使えず、新藤原駅の留置線で手洗いを余儀なくされた。
クラファン成功で61103編成が再生

野岩鉄道開業時から年間の乗車人員は右肩上がりが続き、1991(平成3)年度には過去最高の約117.5万人を記録した。そのほとんどが観光客である。しかし、1992年以降は不況、モータリゼーション、少子高齢化、新型コロナウイルスの影響も重なり、2021年度は約18万人に落ち込んでしまう。加えて、6050系も寄る年波との闘いが続いている。2022年4月には61101編成が廃車にされ、野岩鉄道所属車は3編成6両から2編成4両に減った。
8月8日、野岩鉄道がクラウドファンディングへの挑戦を発表した。8月10日9時00分から10月7日23時00分まで募集金額1500万円に到達すると、野岩鉄道唯一の“生え抜き”である61103編成をジョイフルトレイン化改造するというもの。模擬運転台の設置、畳スペースの設置、自転車スペースの整備、多機能スペースの整備をすることで、“乗って楽しい電車”を創出する計画をたてた。
衝撃の一報は反響が非常に大きく、複数のメディアが取材に訪れたほか、9月13日で目標額の1500万円を達成。さらに2300万円のネクストゴールを設定し、追加の改修箇所として模擬運転台に動画放映用モニターを設置、トイレのリニューアル(和式から車いす対応の洋式に更新するものと思われる)を発表した。最終的に2300万円には届かなかったが、それでも2183万9000円が集まった。
その後、東武は2022年11月24日から2023年4月7日まで(2022年12月25日から2023年1月9日までを除く)、日光線下今市~東武日光間、鬼怒川線下今市~鬼怒川温泉間の日中の各駅停車でサイクルトレインの実証実験を行う。結果によっては鬼怒川線のサイクルトレイン区間が新藤原まで延び、自転車ごとジョイフルトレイン化された61103編成に乗り継げる可能性も期待できる。