世界初搭乗橋も「無人自動運転」三菱重工系と成田空港が共同開発へすでに実運用開始

三菱重工交通・建設エンジニアリングと成田国際空港が、世界初の完全無人自動運転による旅客搭乗橋の実装に向けた共同開発契約を締結。すでに機能の実運用を始めている。

飛行機装着までを完全無人自動運転に

　三菱重工交通・建設エンジニアリングは2021年4月26日（月）、ICT・IoT技術を活用した世界初の完全無人自動運転による旅客搭乗橋の実装に向けた共同開発契約を成田国際空港との間で締結したと発表した。

　旅客搭乗橋は空港のターミナルビルと航空機を接続する設備で、飛行機を乗り降りする際に使われる。無人にすることで、グランドハンドリング作業の高度化・効率化を図るとともに、労働力不足に起因する課題の解決につなげる狙いだ。

　プロジェクトの第1弾として20日から、同空港の第2旅客ターミナル67番搭乗口で、自動運転機能の実運用を始めている。

　カメラ映像を画像解析して航空機ドアを認識し、操作パネルのレバーを前に倒す操作のみで、旅客搭乗橋の移動から飛行機へ搭乗橋を装着する手前までを自動運転する。

　プロジェクトは今後、タブレットなどの操作パネルによる遠隔操作や2基以上の旅客搭乗橋を機体に同時装着するなどといった、自動運転の機能向上につながる技術を順次開発し、最終的には「人の手を介さず航空機に装着可能な世界初の完全無人自動運転旅客搭乗橋」の実現を目指す計画だ。

　なお、この自動運転技術は、広島空港の旅客搭乗橋5基へ採用されることが決まっており、ほかの各空港への納入も働きかける方針。