桜木町駅まで一気に開業できず! 開業50年「横浜市営地下鉄」の悲喜こもごもをご存じか

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1972年に開業し、多くの人が利用する横浜市営地下鉄。その歴史を今回、ひも解く。

川崎市への延伸も事業合意

横浜市営地下鉄の路線図(画像:横浜市交通局)
横浜市営地下鉄の路線図(画像:横浜市交通局)

 グリーンラインは1963(昭和38)年に横浜市長に就任した飛鳥田一雄が打ち出した横浜六大事業に基づいて建設されたが、その横浜六大事業は交通インフラの整備・充実に主眼が置かれていた。飛鳥田市政では金沢シーサイドライン(現・横浜シーサイドライン)や横浜市域における首都高の拡張など地下鉄以外の交通網が充実していった。

 こうした整備により、横浜市は高度経済成長期に東京の衛星都市として発展。1968年に人口は200万人を突破する。その後も横浜市は人口を右肩上がりで増やし、1978年には市町村別人口で日本一の座に就く。そして、1985年には人口300万人を突破した。

 平成期には脱衛星都市といった兆候も現れ、横浜は独自色を強めていく。同時に繁栄を支えた鉄道網は、横浜市という枠を飛び越えて隣接市にも及んでいく。横浜市交通局が所管する鉄道事業は、前述したように1999(平成11)年にブルーラインが藤沢市に所在する湘南台駅まで延伸。

 その後も、ブルーライン・グリーンラインの延伸計画は何度も議論の俎上(そじょう)に上がった。特にブルーラインは、北端のあざみの駅から北進して川崎市に立地する小田急線の新百合ヶ丘駅までの計画を発表。横浜市営地下鉄が、市を飛び越えていくことになるわけだが、同計画には川崎市も賛同を示し、2019年に事業化することで合意した。

 自治体が所管する公営交通がその範囲を超えて運行される例は、まったくないわけではない。例えば東京都交通局が運行する都営地下鉄新宿線は千葉県市川市に本八幡駅を開設しているほか、名古屋市交通局が運行する市営地下鉄鶴舞線も愛知県日進市に赤池駅を開設している。2018年に民営化されてしまったが、大阪市営地下鉄が運行する御堂筋線は大阪府堺市に中百舌鳥駅などを、長堀鶴見緑地線は門真市に門真南駅を開設していた。

 こうした先例があるので、横浜市営地下鉄が川崎市内を走ることは特段に珍しい話ではない。それでも横浜市営地下鉄が他都市まで延伸することは、横浜市が自他ともに認める“強い”都市であることを証明したことにもなる。市営交通発足から100年、そして市営地下鉄開業から50年を迎えた横浜市は、もはや東京の衛星都市ではないのだ。

 日本ナンバーワン都市として発展を続ける横浜市だが、将来的な不安材料がないわけではない。日本全体が人口減少今、最大人口を誇る横浜市といえども人口減は避けられない。人口減少は当然ながら都市の発展を鈍らせる。都市の発展は、地下鉄をはじめとする市営交通にも逆風となるだろう。

 また、横浜市営地下鉄は運賃が高く、それが利用者を遠ざけているとも指摘される。このあたりの改善が、今後に求められる。横浜発展のけん引役でもあった市営地下鉄は開業から50年を迎え、こうした難局にどう立ち向かうのか。

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