「全国旅行支援」はむしろ観光業をダメにする! 国民にも事業者にもフェアじゃない、問題だらけの制度とは
開始から1か月が経過した全国旅行支援。お得に旅行できるとのことで注目を集めたが、この事業は本当に国内観光業の回復に寄与するのか?
実質的に、ほぼ機能しない「直接予約」

全国旅行支援を利用するには次の三つの方法がある。
・総合予約サイトからの予約
・旅行会社からの予約
・宿に直接予約
予約シーンを思い起こしてみよう。見知らぬ土地に旅行するとき、どのように宿泊先を探すだろうか。
おそらく、多くの人は総合予約サイトあるいは旅行会社を経由して予約するのではないかと思う。つまり、全国旅行支援を利用するには三つの方法があるが、実質的に機能するのはふたつしかないということである。
なぜなら、宿に直接予約をするには、その宿の名前を知っていなければならないからだ。名前を知っているケースはごくまれで、ほとんどは旅程や料金などの条件で検索するだろう。
そして検索結果で初めて、利用者は宿の存在を知ることになる。その後、人によっては公式サイトも見てみるという流れになるかもしれない。
利用者の側からすれば、情報が集約されている予約サイトは便利だ。宿泊事業者からしても、集客チャンネルを増やせるというメリットがある。
しかし、「観光業」を支援するという名目のこの施策で大きな利益を得ているのは、現場の宿泊事業者ではなく、仲介している予約サイトなのではという気がしてならない。