“自動車離れ”時代なのに「クルマのレジャー施設」が次々とオープンしているワケ

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近年、自動車をテーマにした施設の開発計画が公表されている。若者の自動車離れが叫ばれ、大手自動車メーカーも販売の軸足は海外にあるなか、なぜ今、推進されるのか。

相次ぐ車関連集客施設のオープン

富士スピードウェイ(画像:トヨタ自動車)
富士スピードウェイ(画像:トヨタ自動車)

 富士モータースポーツフォレストプロジェクトの一環である「富士スピードウェイホテル」「富士モータースポーツミュージアム」が10月7日、オープンした。2022年はそのほかにも車をテーマにした集客施設のオープンがあり、さらに将来的な大型開発プロジェクトも計画されている。

 今回はレジャー・観光開発の視点で車をテーマにした集客施設開発について見ていきたい。

 富士モータースポーツフォレストは

・トヨタ自動車
・富士スピードウェイ
・東和不動産

が推進する、モータースポーツ文化をテーマにした大型複合開発だ。国際レーシングコース富士スピードウェイを中心に、ハイアットのコレクションブランド「アンバウンド コレクション by Hyatt」の国内第1号である富士スピードウェイホテル、国内外の時代を象徴するレーシングカー約40台を展示する富士モータースポーツミュージアム、レーシングチームのガレージ、温浴施設、レストランなどで構成される。

 ホテルの客室からは富士スピードウェイの最終コーナーからホームストレートを見渡せ、ラグジュアリーエクスペリエンスを提供する。計画地周辺は国内有数の観光地であり、将来的な新東名高速道路の開通もにらんで、一大観光ディスティネーション(旅行目的地)化を目指す。

 また、10月1日にはポルシェジャパンがポルシェのパフォーマンスとブランドの世界観を体験できる「ポルシェ・エクスペリエンスセンター(PEC)東京」を千葉県木更津市にオープンした。PECは日本初上陸で、イギリスやアメリカ、中国などに続く世界で9番目の施設となる。

 敷地面積は43万平方メートル(東京ドーム9.2個分)。さまざまなドライビング経験を提供する全長2.1kmの周回コースに、江戸切子をモチーフにした地上2階の建物のなかには、1階にポルシェ906や919ハイブリッドが展示され、The 956カフェやレストラン906、有名サーキットでの運転が体験できるシミュレーターラボ、オフィシャルアイテムショップ、ミーティングルームなどが導入されている。

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