昭和レトロだけじゃない! 近年人気の「ドライブイン」、ツウなら知ってる真の実力とは
昭和時代は「2kmごと」に点在
以前に比べて遥かに少なくなったが、国内にはドライブインが存在している。おいしそうな食事から地域の名産品までが揃い、そこへ出掛けること自体が目的となっている現在のサービスエリア(SA)や道の駅とは異なる、昭和のスタイルのたたずまいには今でも根強いファンが少なくない。
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SAや道の駅が「観光施設」を志向しているのに対して、ドライブインはどこまでいっても道路を利用する人の「中継施設」「休憩施設」なのだ。かつての街道筋にあった茶店が自動車の普及とともに形を変えたものともいえるだろう。
その形態はさまざまで、食堂から始まったものもあれば、土産物店から始まったものもある。ゲームセンターを兼ね備えた施設が目立つのも特徴だ。岡山市にあった「平田食事センター」(2015年閉店)はまさにこれで、併設されたゲームセンターのために集まる人が多く、トラックドライバーの姿も散見され、まさに昭和的な雰囲気だった。
ドライブインは高度成長期、車社会の進化に対応する形で急増した。東京~名古屋間の国道1号線沿いには、1963(昭和38)年時点で
「約2kmごと」
にあったというが、その勢いはもはやない。
その理由のひとつが、高速道路の整備にともなう客足の減少だ。さらに決定打だったのは、道の駅の普及だった。道の駅は、旧建設省がSAの「国道版」として構想を進めたものだ。駐車スペースにトイレやゴミ箱、飲食物の販売コーナーを併設すれば、ドライバーがリフレッシュし、交通事故も減少するという予測のもと、具体化された。1993(平成5)年から全国各地に広まり始めたが、それは従来のドライブインとはまったく異なるものだった。