世界で開発進む「空飛ぶクルマ」 結局、騒音問題は大丈夫なのか?

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日本でも本格的に注目を浴び始めた「空飛ぶクルマ」。その未来とは。

此花区と覚書を締結したVolocopter

Volocopterの「VoloCity」(画像:Volocopter)
Volocopterの「VoloCity」(画像:Volocopter)

 ドイツのVolocopter GmbH(Volocopter)は、次世代エアモビリティーのパイオニアとも目されている、「空飛ぶクルマ」のメーカーだ。2020年9月にはJALと業務提携を行い、「空の移動革命社会実装大阪ラウンドテーブル」への参画、2022年5月には大阪市此花区と「「空飛ぶクルマ」の推進に関する覚書」を締結するなど、日本でもなじみのある会社だ。

 Volocopterが開発している機体は、電動垂直離着陸機(eVTOL)と呼ばれている、複数の電動モーターを回転させて垂直に離着陸するタイプだ。eVTOLは滑走路を必要としないため、都心部などまとまった土地の確保が難しい場所での活用が期待されている。

 現在、Volocopterが開発中の機体は次のとおり。

・VoloDrone:荷物輸送用eVTOL
・VoloCity:ふたり乗りのeVTOL
・VoloConnect:4人乗りのeVTOL

 VoloCityは、時速110kmで飛行し、35kmの範囲をカバーする都市部におけるタクシーとしての位置付けだ。なお、2019年7月に欧州航空安全機関(EASA)が公表した安全指針に準拠しているそうだ。

 一方、VoloConnectは、時速約249km以上、航続距離約96kmを超え、都市と郊外を結ぶフライトやクルージングを想定している。しかしながら、VoloConnectは、2022年の5月に初飛行を終えたばかりだ。

 なお、同社ウェブサイトによると、VoloCityは2024年の商用開始、VoloConnectは2026年のサービス開始を目指している。