トラックドライバーの事故が続発! ピンチの大手物流会社が「ヒヤリハット」を94%減できたワケ

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人は機械とは違う。どんなにマジメに職務に取り組んでいても、心身の不調によりミスを犯すことがある。だが、プロドライバーの場合、そのミスは人の命を奪ってしまうことがある。

交通事故は、被害者も加害者も不幸に

ウェアラブル心拍センサー(Polar Verity Sense)の管理画面。管理者は直感的な画面表示によって、ドライバーそれぞれの心身の不調を知ることができる(画像:坂田良平)
ウェアラブル心拍センサー(Polar Verity Sense)の管理画面。管理者は直感的な画面表示によって、ドライバーそれぞれの心身の不調を知ることができる(画像:坂田良平)

 前話でご紹介した、はとバスドライバーによる死亡事故(2019年12月発生。体調不良のドライバーがハイヤーに追突し、ハイヤーのドライバーが死亡)は、2022年3月、嫌疑不十分で不起訴となった。

 当時、私はある大手メディアから、本事故に関する見解を求められた。大手メディアの記者は、はとバスドライバー本人に取材を行っており、その様子を教えてくれた。

 「御本人はすごくマジメな方で、今回の事故のことを深く悔いていらっしゃいます」──当時の報道でも、当人のマジメな人柄がいくつも報道されていた。そのマジメさゆえに、多少の体調不良程度では、会社に「休ませてほしい」と報告しづらかったのかもしれない。

 ことさら日本では「しんどい」「きつい」というアラートを発することが、周囲から怠惰の証と見られてしまう傾向が高い。

 だが、職業ドライバーにおいて、「しんどい」「きつい」を抱えたまま運転業務に従事することは、最悪、人の命を奪うリスクをはらんでいる。ハイヤードライバーの命は元に戻らないし、ご遺族の心の傷は消えない。

 今回紹介したような、「しんどい」「きつい」に対し、科学的な裏付けを持たせることができるソリューションが、より発展、普及することで、ひとつでも多くの悲劇を回避することができるようになることを願いたい。

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